荒磯
荒磯とは波間に踊る鯉の模様である所からこう呼ばれています。
名物裂の一種で、岩の多い荒波の打ち寄せる海辺を意味しており、
波に踊る鯉の姿を荒磯と見立てた文様です。
この文様は気負った所のない中に優雅さをたたえたもので、音楽的な効果さえ示しており、配色の柔らかさと織りの変化によって穏やかに表現されている裂です。
またおめでたい柄でもあるので、祝行事などに用いられることもあります。
製作年代は明代中期で古くより茶人の間で親しまれてきた人気の高い裂です。
牡丹唐草
牡丹文とは古渡時代金襴として珍重されたものです。
梅鉢文や霊芝雲文をを添えた一重蔓唐草を、水平方向に伸ばして織り出し、
各列ごとに二種の牡丹花文を配しています。
本品は、古来より富貴の象徴と言われたボタンを優しく唐草風に図案化したものです。